2022年11月7日月曜日

Raspberry Pi Pico(GP2040-CE)でアケコン作成 [前編]

Raspberry Pi Picoを使用して格安でアケコンを作成してみました。
[前編]では必要最小限のシンプルなアケコンを作成します。


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Raspberry Pi Picoで格安アケコンの作成


今回はなるべく予算をおさえてかつ高性能なアケコン(アーケードコントローラー)を作成してみます。

そもそもアケコン作る際に予算がかかる部分は筐体部とコントロール基板で、筐体はケースの他にレバーやボタン等を新品で揃えると存外出費が高くつきます。
そこで筐体部は市販のアケコンを流用しつつコントロール基板は今流行り?のRaspberry Pi PicoGP2040をインストールして使用します。
GP2040はその高性能さ故、格闘ゲーム用にレバーレスコントローラー(Hitbox)を自作される方が多いのですが自分自身は取り敢えずレバーレスには今のところそこまで興味がないので通常のレバー付きアケコンを作成しようかと思います。



ナムコジョイスティック
ナムコジョイスティック



まずは流用するアケコン筐体。
今回はPS用ナムコジョイスティックを使用します。
基本6ボタン+上部に2ボタン(SELECT、START以外に)有るのも使い勝手が良さそうです。
レバー、ボタンの手触りはそれほど悪くはなく、ボタンなんかはむしろ昔のテーブル筐体時代の感覚で懐かしささえ感じます。
あとこのアケコンは割と人気があるのでレバー、ボタンの改造の情報はネット上に多く存在すると思いますので興味があれば調べてみてください。

家にあったからと言うのが最大の理由なのですが、まず薄いことそして操作感が犠牲にならない範囲での最小の大きさ(個人の感想です)なコンパクトなアケコンが欲しかったからです。
イーグレットツー ミニ専用コントロールパネルも4方向切替とか付いてて良いかなと思いましたが購入はしていません。

市販のアケコンを流用する際は通常ならレバー、ボタンが三和やセイミツを使用したアケコンでPS3やXbox360の中古品を狙えば安くかつ高性能なアケコン筐体が手に入ると思います。
注意点はSEGA系ハード用のアケコンはボタンが足りなくなることがありますので避けたほうがいいかもですね。





Raspberry Pi Pico と 基板
Raspberry Pi Pico と 基板


Raspberry Pi Pico:500~1000円位
Raspberry Pi Picoプロトタイプ基板:300円位

今回購入したパーツは以上です。
Raspberry Pi Picoは価格上昇がありますが、高くても1000円位で買えるでしょう。
あと持っていなければピンヘッダーとソケット、線材が少々といったとこですか。

Raspberry Pi Picoに直接はんだ付けするなら、基板もピンヘッダーとソケットも不要です。






底板を開けたところ
底板を開けたところ


ナムコジョイスティックの底板を開けてみます。
シンプルな造りですので各はんだを除去して外していきます。

今回はすべて配線等を外しましたが、上手く工夫すれば配線も流用できるかもしれませんね。





基板レバーのグリスアップ
基板レバーのグリスアップ


ナムコジョイスティックは1996年12月発売とのこと。
もう30年近く前の製品ですので、最低限レバーのグリスアップだけしておきます。





スイッチの位置確認
スイッチの位置確認


すべての配線を外した状態で各スイッチの位置を確認します。
レバーの上下は間違えやすいので注意。





ボタン配置の確認
ボタン配置の確認


https://gp2040.info のドキュメントを参考にボタン配置を確認します。
ただ後からでも変更出来ます。





GP2040-CE 配線図
GP2040-CE 配線図


あとは各スイッチとRaspberry Pi Picoを配線します。
スイッチのGND側はRaspberry Pi PicoのGNDならどこでもよいのですが、わかりやすくするため系統ごとにまとめておくといいと思います。

レバーやボタンの接続にファストン端子を使用してもいいのですが、元々はんだ付けされていたことや意外と高くつくこと、なにより面倒なので使用せずに直接はんだ付けしました。
今回は手持ちのコネクタ付き配線を使用して接続しました。







内部配線の完成
内部配線の完成


コネクタを付けたり配線が長かったりしていまいちスッキリしませんが内部配線の完成です。





GP2040-CEのインストール


アケコン筐体の配線が終わればハード面は完成です。
続いてソフト面の作成を行います。
とは言ってもRaspberry Pi PicoGP2040-CEをインストールするだけなのですが…

以前まではGP2040と言う名前でしたが、連射機能を付けたGP2040-PicoAnnとかその他の機能を統合してGP2040-CE(Community Edition)になりました。
それぞれデフォルトの配線が違いますので注意してください。

一部CS機でも使用できますが今のところはPCAndroid, Raspberry Pi用だと思ってください。
CS機用途にはUFB(Universal Fighting Board)をオススメします。


最新のファームウェアをリリースページよりダウンロード

・レバー付のアケコン
GP2040-CE-RaspberryPiPico_v.0.#.#_Stick.uf2

・レバーレスタイプのアケコン
GP2040-CE-RaspberryPiPico_v.0.#.#_Stickless.uf2

・RaspBerry Pi Picoクリア用


あとはGP2040の解説ページ通りインストールすれば問題ないと思います。
GP2040の解説ページ


[2022.11.18追記]
GP2040のドキュメントが更新されGP2040-CE用となりました。
以降はこちらを参考にしたほうが良いと思います。




Xbox360有線コントローラー
Xbox360有線コントローラー


WindowsPC(今回はWindows10)で動作確認します。

[スタート][デバイスとプリンター][Xbox 360 Controller for Windows]
※GP2040は”Xbox 360 Controller for Windows”と認識します。

[ゲームコントローラーの設定][プロパティ]

ここでレバー、ボタンの動作確認を行います。
参考用に本物のXbox360有線コントローラーを接続した時のプロパティを載せておきますので、ボタン配置の確認に使用してください。





作成したアケコンのボタン配置
作成したアケコンのボタン配置


これで必要最小限の機能を満たしたシンプルなアケコンが完成しました。
通常ならこれで問題なく使用できると思います。

レバーボールは往年のナムコテーブル筐体を意識した白色に変更してみました。
でもこれって記憶の個人差ありますよね。
人によっては黄色だったり赤色だったりしますしね。

[後編]ではOLED取り付け等を試してみます。


[関連記事]





おまけ


Pico Fighting Board
Pico Fighting Board


今回は使用しませんでしたが、簡単にアケコンを作成できそうな基板も購入してみました。


・基板だけならこちらで購入できます。

Picoや部品が実装されたものはBOOTHで探せばあると思います。






Pico Fighting Board
Pico Fighting Board

Fighting Board 配線図
Fighting Board 配線図

Fighting Board 説明
Fighting Board 説明


こちらはAliExpressで見つけて購入してみたものです。
但しRaspberry Pi Picoへの配線が若干違いますので配線図と資料も載せておきます。



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